関節リウマチはお年寄りの病気と勘違いされている方がおられますが、決してそうではありません。女性に多くみられる、仕事盛りの年代(40歳前後)におこる病気です。
ただし、最近は高齢化や治療法の進歩により、比較的高齢の方も増えております。
朝起きてしばらくは関節が思うように動かないことです。
朝のこわばりがひどく、早朝の家事や仕事がつらいことがあります。
関節リウマチの勢いを厳格にコントロールしないと関節破壊が進行し関節が使えなくなってしまいます。ちょうど関節リウマチは火事に例えるとわかりやすいと思います。火事ならば、見守ることはしません。まずくすぶっている程度で あれば消火も比較的簡単で、消火できたとすると少し煤がつく程度で大事には至りません。
これに対して全焼となると取り返しのつかない結果となります。
関節リウマチについても同じことが言え、発症してから少なくとも半年以内までに厳密な管理のもと治療を開始することが大切です。
遅くても2年以内までには治療を開始することが望ましいと考えられます。
関節リウマチの勢いが強いと、痛みのため体を動かすことが困難となります。適切な治療によりリウマチの勢いを抑え痛みが和らげば、このようなことにはなりにくいのですが、残念ながらすべての方に等しく治療効果がでるわけではありませんので、運動について少しばかりコメントさせていただきます。
リウマチの勢いを安定化させるのに安静は必要ですが、安静ばかりを保ち関節を動かさずにいると、筋力が衰え関節も硬くなり日常生活に支障をきたす可能性があります。
だからといって痛みを我慢してまで運動をすると、かえって関節を痛めてしまいます。
痛みの程度に合わせて、とくに入浴後など体が十分温まり痛みが和らいでいる時にリウマチ体操(主治医に方法をお聞きください)など負担の少ない運動を行ってください。
喫煙自体、良いことではありません。
心臓血管系へ影響します。
関節リウマチ発症に関しての検討では関節リウマチ発症の環境要因のひとつと言われております。関節リウマチの治療にも多少影響しますので、喫煙はしない方がよろしいです。節煙では、効果がないため禁煙することが大切です。禁煙が難しい方は、当院の禁煙外来に是非ご相談ください。
アルコールを摂取されると、皆様ご存知のように血流が良くなる結果、炎症が悪化します。つまり、腫れて痛む関節が余計に腫れてしまう可能性があります。
過度の飲酒は控えた方が望ましいです。
一般的に関節リウマチの治療は、メト トレキサートという薬が使われることが多いため、飲酒をすることで副作用としての肝機能障害がおこりやすくなるため、飲酒は注意が必要です。
授乳中のリウマチ治療薬については、母乳はかなり大切であり、リウマチ治療を優先しなければならないほどリウマチの勢いが強いかどうかで治療薬を決めるということになります。 リウマチ治療を優先しなければならないときには断乳し、しかるべきリウマチ治療薬を選択することになります。
断乳がどうしても困難な場合は、エタネルセプト(エンブレル®)は比較的安全かもしれません。しかしながら安全性を保証しうる確実な根拠に乏しいともガイドライン上はされておりますので、個々に判断していかなければなりません。
使うことはできます。
生物学的製剤の投与中に手術が行われることがあります。
術後の投与の再開は、傷がほぼ完治し、感染症などを起こしていないことを確認するなど、術後経過を見ながら主治医と相談して決めていきます。
レミケード®
--- 最終投与より4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
エンブレル®
--- 最終投与より2~4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
ヒュミラ®
--- 最終投与より2~4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
アクテムラ®
--- 最終投与からの間隔に関しては、一定の見解がまだ得られていません。
オレンシア®
--- 最終投与より10日以上の間隔を空けて行うことが推奨されています。
自己注射ができるのは、以下の条件をすべて満たした方です。
●通院で既に1ヶ月以上の効果が確認されており、治療継続に支障がないこと。
●自身が自己注射を望んでいること。
●ご本人あるいはご家族が自己注射に関する指導を十分に受け、
自己注射が安全かつ正しく行えると主治医が判断すること。
●自己注射で注意すべき点を正しく理解し、
「自己注射移行の同意書」に署名すること。
生物学的製剤の中でもレミケード®については発症2年以内の早期から使用を開始し、薬がよく効いた方は、1年程度のレミケード®による治療の後に、治療を中止しても良い状態が維持できたという患者さん方もいます。
しかし、発症してから長時間が経過してしまった方では、治療を途中でやめると症状が悪化する場合が多くみられ、原則として治療を続けた方がよいと考えられます。
止められます。特に、鎮痛薬(非ステロイド系抗炎症薬)は、減量したりあるいは中止できる方が多くいます。また、ステロイド薬も減量できます。様子をみながら徐々に減らしていき、いずれは中止できることもあります。
また、TNF阻害剤とT細胞阻害薬(オレンシア®)は抗リウマチ薬、とくにメトトレキサートと併用した場合に最も良い効果が得られる薬なので、他の薬の服用をすべて止めてしまったとしても、抗リウマチ薬とTNF阻害剤、T細胞阻害薬による治療だけは継続したほうが良いでしょう。
アクテムラ®に関しては、他の抗リウマチ薬と併用をしなくとも十分な効果が期待できるので、この場合もステロイド薬と同様に様子を見ながら抗リウマチ薬の減量・中止が可能となります。
関節の腫れがあまりなく痛みだけのときには、温めた方が良いことが多いです。関節が腫れ痛むときには、冷やす方が良いことが多いです。
なお、個人差がありますので、効果が乏しければ冷やすのを温めたりと逆にしてみるのもご一考ください。
確実に遺伝するわけではありません。
ある家系調査では、関節リウマチと診断された方の三親等以内で、関節リウマチと診断される割合は3人に1人くらいという報告がありますが、一卵性双生児の検討において関節リウマチと診断された場合は、15~30%の確率でもう一人が関節リウマチと診断されます。二卵性双生児の場合には頻度が少なくなり約7%と言われています。
つまり、関節リウマチそのものが次世代に確実に遺伝し発症してくるわけではなく、関節リウマチになりやすいという遺伝的素因が受け次がれると言われております。
日本リウマチ学会のガイドラインには、いずれの薬剤でもインフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、肺炎球菌ワクチンも考慮すべきとされております。
インフルエンザワクチンとオレンシア治療を同時に行うことで免疫に関して影響がでることはございません。
ただし、副作用が出た場合には、どちらが原因かがわからなくなるためオレンシア治療を受けられる前にインフルエンザワクチンを受けた方が望ましいです。
週8mg以上を服用された場合には、内服を勧める場合がございます。葉酸の服用によって、嘔気、嘔吐、胃腸の痛みなど胃腸のトラブルや肝機能障害を守ってくれるためです。